Appleストアより怖いGoogle play のリジェクト

消えたAndorodアプリ

「Google Play Storeは、無法地帯」だの「Androidアプリは審査が無いから楽」なんて言われてますが、
リジェクトのタイミングや基準がApple Storeと違うだけで、
法(決まり)は存在し、そして、年々、厳しくなっています。
再起不能なアカBAN(アカウント停止)に繋がる作っていけないアプリについてまとめました。

目 次

その1.

「Google Play Storeでペナルティを受けるとどうなるか?」


アップデート後(約120時間後)のGoogleによるリジェクトは、2パターンあります。

  1. アプリの削除
  2. アカウントの停止

通常、1のアプリの削除措置を2回くらうと、リーチがかかり、3回目でアカウントが停止されますが、
一発ドボンで、アカウントが停止される場合もあります。
何がドボンかは、後述のリジェクト理由で説明しますが、
アカウントが停止されると、今後、Google Play Storeを利用出来なくなるばかりではなく、

If your account is terminated, payments will cease and Google may recover the proceeds of any past sales and/or the cost of any associated fees (such as chargebacks and transaction fees) from you.

既に、確定済みの売り上げの差し押さえにも言及されてます。
これは、有料のAndoroidアプリの代金だけではなく、
Admob、Adsense、Youtubeなどの広告費もすべて対象になります。

さらに、Google Playで、アカウントが削除された際は、同一環境から、新規アカウントを作ることが出来なくなります。

※このGoogle Play のアカウント作成は拒絶される条件は、「同一環境」からです。
IT業界で働く人間であれば、なにを根拠に、アカウントの作成をはねているのか察しが付くかと思いますので、 アカウントの再作成方法については、省きます。

個人が趣味でAndorodアプリを作成していた場合は、
再度アカウント取得のチャンスがあり、生活にも影響しませんが、企業の場合は、Andorodアプリ開発からの撤退を意味します。

Google Playアカウント停止は、追放を意味するため、異議申し立てすら受け付けて貰えなくなることも多いですが、 制裁が、「アプリの削除」に留まっている段階は、まだ交渉の余地が残されています。
削除される覚えが無かった場合は、汚点(マイナスポイント)を消すためにも、泣き寝入りしないで、メールを書きましょう。

問い合わせメールは、英語で書いたほうが無難です。
Google Play Storeの問い合わせ先が掲載されたWebページやメールは、 日本語で表示されている為、日本語で問い合わせても良さそうな雰囲気を醸し出していますが、あれは、翻訳です。
ただでさえ、中の人が、出てこない企業なので、日本語で問い合わせると無視される可能性がさらに高くなります。

Appleのデベロッパーは、1万円を超える年会費を支払っている、 お客さんでもありますが、Google Playは、初回の25ドルのみの支払い為、デベロッパーであっても利用者の位置づけのようです。
いきなりの削除は乱暴なようにも思えますが、
不満がある場合は、不買(利用しない)を持って示せという米国企業らしい合理主義です。

その2.

「Google Play StoreでのNG行為」

Google Play Storeの開発者向けのページに違反行為について列挙されていますが、 常識的かつ曖昧な内容なので、違反行為と許容範囲の境界が掴めません。

実例を元に、まず、Appleと共通するリジェクトの具体例について、列挙します。

Appleのリジェクトと共通するGoogle Play におけるリジェクト

マルウェアや類似アプリの発見は、巡回ロボット君が行っているようですが、人力でもチェックしています。
ランキングを急上昇しているアプリなどは、重点的なチェック対象となり、
目立つアプリや運の悪いアプリから順番に摘発対象になります。

アカBANを恐れずに、規約違反のアプリの公開を繰り返して、短期間に収益を得て、逃げ回る集団もいる為、
他社がやっているからと、安易に真似てしまうのは危険です。

また、Apple Storeの場合も、公開後(審査通過後)に、アプリの公開を停止することがあります。
特に、審査後に、アプリの内容を改変(更新)すると悪質とみなされます。

Appleでは、許されるが、Googleでは、違反になるアプリ

制裁措置「アプリ削除」レベル
アプリの内容と異なるカテゴリーへの登録。
制裁措置「アプリ削除」レベル
他社のアプリをネタにしている。(ゲームの攻略系はダメ)
制裁措置「アプリ削除」レベル
無料アプリの有料版や他の言語版を別のアプリとして公開するのは、スパム行為
制裁措置「アカウント削除」レベル
Googleのコンテンツをユーザーに不正に利用させる。
Youtubeの音楽のみを再生するサウンドプレーヤーなどが該当します。
AppleStoreでは、定番のアプリですが、訴訟の対象になってもおかしく無いです。

場所(ところ)が変われば、常識変わります。

ちなみに、Google Play Storeの広告ブロックアプリは、以前は、削除対象でしたが、その後、方針を変更して、承認されるようになったようです。

参考記事:2016年2月 TechCrunch Japan
「Googleが広告ブロックアプリのストア取り下げを撤回」

Apple Storeは、広告ブロックアプリは、以前から、リジェクトの対象ではなく、
むしろ、Appleも利用を推奨しているような印象さえ受けますが、この目的は、ノーAdの有償アプリの販売強化や有料のサブスクリプション契約の促進のようです。

その3.

「Androidアプリをリジェクトされない為の確認事項」

年齢のレーティングは適切か?

レーティングは高めの設定が無難ですが、 ユーザーの登録時の年齢を上回る年齢レートのアプリは表示されなくなる為、 上げすぎるとアプリの利用率の高い中高生のユーザーを逃します。

広告もコンテンツ

アダルトや出会い系の広告は、クリック率と単価が高くなる為、選びがちですが、
ユーザー保護の観点から、厳しくチェックされます。
特に、レーティング無し(全年齢対応)の幼児向けアプリで、
そういった広告の表示を許していた場合は、致命的です。

商標権の侵害に注意

Googleは、商標権の侵害に、特に過敏です。
Google以外の権利も対象であり、例えば、こんなアプリは、アウトです。 Google Play Storeは、Googleのルールの中で動いているので、Webページの感覚で文章を書くと引っかかります。

初回、APKファイルのアップデート後、ストアへの完全な反映までに、最大で120時間程度かかります。
その間、自動でスキャンをかけてアプリやGoogle Play Storeで表示される文章や画像に商標権や著作権の侵害が無いかチェックしてくれてますが、 日本語の解析は、あまり得意ではないのか、結構漏れます。

Andorodアプリの検閲

※自分で作成したアプリであっても、ソースや画像を他のアプリに転用すると、
自動検閲時に、「著作権侵害及びなりすまし」判定を受けることがあります。
恐らく、apkファイルの一致率もチェックもしているものと思われます。

アップデート前のアプリの確認方法

アプリ名の商標権侵害のチェックは、 日本語は、特許情報プラットフォーム
英語は、米国特許商標庁ウェブサイトで、確認することが出来ます。

また、アイコンなどの作成を他社に委託した場合、
納品されたイメージファイルが、オリジナルで作成されたものなのか判別する手段として、Googleのイメージ検索が有効です。

著作権も米国の企業ですので米国の法律が適用されます。
日本の著作権は、親告罪ですが、米国は、非親告罪です。
保護期間も日本の50年ではなく、米国の70年(法人著作は公表後95年)が適応されます。


法改正に伴う追記
2018年12月31日付け(TPP加盟に伴い著作権法改正)
1.日本の著作権保護期間が著作者の死後から70年になりました。
2.海賊版などの悪質コピーは非親告罪になった為、著作者の訴えが無くても摘発が可能になりました。

終わりに

不正に情報を集めたり、他人の営利活動を妨害すれば、ストアからのアプリ削除や追放などのペナルティを受けるのは当然ですが、
中には、まったく身に覚えがないのに、いきなりアカウントを停止された人もいます。
横暴のようにも思えますが、ストアという名の他所の企業の敷地にアプリを置かせて貰っている以上、割り切ることも必要かと思います。

加筆を加えた「アプリ審査 その2」はこちら

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