updated at 2020-11-15
ここ2年ぐらいで厳しくなったような気がするGooglePlayとAppStoreの審査の項目とアプリストアの動向についてまとめました。
GDPR(一般データ保護規則)の施行に伴って、 実際にEUのターゲットにされたのはGoogleを筆頭とする巨大プラットフォーマーですが、 その背景で世界的に個人情報保護の気運が高まっています。
iAdを解体し広告業から撤退したappleは、
Safariにトラッキングコントロール機能を盛り込んだり、
ティム・クックがスピーチで、やたらと個人情報保護を主張してみたり、
利用者のプライバシー保護をappleの看板にしてくる方針みたいです。
広告がアプリ開発者にとっての主たる収益手段であることはappleも認識してくれているみたいですが、 今後、Firebase等のターゲット広告と連動出来るツールに対して何らかの規制をしてくる可能性が高そうです。
レーティングは、アプリやゲームに、ふさわしい対象年齢を付与するものです。
児童保護が主たる目的になっています。
児童保護が主たる目的になっています。
app storeでは、
「Webへの無限アクセス」にチェックを入れると、対象年齢が上がります。
広告が表示されるのに、「Webへの無限アクセス」にチェックが入っていなければ、審査で指摘されます。
深く考えずに「ファミリー向けアプリ」のチェックを入れてしまったり、 質疑応答の回答によって低い年齢が設定されたりしますが、 アクセス解析や広告を導入しているのであれば、注意が必要です。
例えば、COPPAでは、1つの違反行為につき、米国連邦政府より最大16,000 USD(約170万円)の罰金が科せられます。
「児童保護」の指針は、複数のルールや法が混在しているので、判定基準が解りにくいですが、
とりあえず、「児童」+「個人情報」の組み合わせは最悪みたいです。
子供向けのアプリやゲームを作る時は細心の注意を払った方が良さそうです。
余談ですが、エラーだったのか仕様だったのかは知りませんが、 ある時期のapp storeのレーティングは加算式になっていて、 合計が21歳以上を超えると、審査通過後もストアでアプリが表示されなくなるなんてことが有りました。
iOSの審査は厳しい!
というのは有名ですが、
厳しいといっても、壁が高いわけでは無く、また、壁というより罠に近かったりします。
iOS 審査 ガイドラインは結構な頻度で更新されてますが、大枠は変わっていません。
しかし、解釈の幅が広いです。
この象徴的な騒動が辞書アプリの老舗「物書堂」さんの件です。
種類ごとに個別に出していた辞書アプリがスパム認定されてストアから下げられました。
結局、単体版アプリを1つに統合した総合の辞書アプリをリリースされましたが、
ユーザーからも使いにくくなったと不満の声が上がり、誰得な状況です。
「辞書 by 物書堂」
https://apps.apple.com/jp/app/id1380563956
アプリは容量制限も有る為、1本化の示唆は退場通告に近いです。
しかし、ストアでは、物書堂さんのアプリが「おすすめ」としてフィーチャーされていたりして足並みが揃っていない感じです。
スパム認定される開発者が居る一方で、類似アプリの新作をリリースし続けられる開発者も居ます。
そして、これは、運の要素が強いです。
アプリの審査を担当したレビューアーによって審査のハードルが大きく変わります。
なんとなくイメージ
1.
真面目なレビューアーは厳格に審査をする。
不真面目なレビューアーは適当に審査をしてガイドライン違反のアプリを通してしまう。
2.
クオリティを満たしていないアプリがストアに並んでいるので、もっと厳しく審査をするよう指示を受ける。
3.
真面目なレビューアーは厳しくしようが無いので、ガイドラインの解釈を拡大したりを曲解したりする。
不真面目なレビューアーは相変わらず。
要するにレビューアーの審査業務に対するクオリティコントロールが出来ていないような印象です。
GooglePlayのアプリの審査は、ほぼ自動で行われます。
自動ですが、Googleは「だいたいOK」なレベルでシステムを実装させる為、
誤検知があることは中の人も知っていて、柔軟に対応して貰えます。
反面、appleの審査は属人的なことも有り、レビューアーの持っている権限が大きいことも問題です。
毎年、年会費も払っていることなので、「いくらなんでも不公平だろ」という仕打ちを受けた時は公正取引委員会に相談してみるのも方法です。
デジタル・プラットフォーマーに関する取引実態や利用状況についての情報提供窓口
https://www.jftc.go.jp
厳しい審査が有ることは、開発者にとって安心に繋がることなので、まともな難易度を期待したい所です。
ストアが出来てから年々アプリの数が増えていってるので当然ですが、リリースしても物凄い勢いで埋もれます。
特に、GooglePlayは何の宣伝も行わなければ、月のダウンロード数は普通に一桁です。
アプリ名でストア検索してもヒットしないくらい埋もれます。
広告費を投じよとの意みたいですが、宣伝にお金をかけても結果に繋がらない厳しい環境です。
「ドワンゴ「テクテク」売上高900万円に対し、営業赤字が8億600万円」
https://www.itmedia.co.jp/news
「コロプラ、850万円の課金を取引先に依頼 セールスランキング操作が目的」
https://www.itmedia.co.jp/news
開発費より宣伝費が高い状況が続いていますが、解消されることは無いでしょう。
但し、GooglePlayは、一国二制度の元、特別地区になっている「香港特別行政区」と「マカオ特別行政区」以外の 中国本土でアプリ内課金は不可です。
※appleはAppStoreのサーバーごと中国本土に移動させたことも有り、中国政府からの規制は緩いです。
AppStoreでは、韓国だけ、開発者の氏名・住所・電話番号等の申告義務がありましたが、 GooglePlayのレーティングでも韓国のみが独自の審査が必須になっています。
また、IARCのレーティング算定でも韓国に関する謎の質問が登場しています。
質問
「ゲームには反国家的な行為を表現したり、
歴史的事実をゆがめることによって大韓民国の国民性を著しく侵害するコンテンツが含まれていますか?」
質問が唐突すぎて、反国家的の国家がどの国を指しているのかも解りません。
一応、IARCにも直撃してみましたが、具体例については言及せずに、韓国国民のアイデンティティを損なうようなことが該当すると説明されました。
また、historical factsを曲げてはならないとも言われましたが、どこに真実が有るのでしょうか?
韓国にとっての真実が他国にとって真実ではないことも有るのですが
IARCのこの質問の上の質問はナチスについて言及しています。
ナチスに関する質問は以前から有り、ナチスのマークで有るハーケンクロイツの使用に規制が有ることは周知のことです。
この質問の主語は韓国で有り、日本に対しては言及されていませんが、現在、日本の旭日旗はナチスのマークと同等だと印象付ける活動が色々な国で行われています。
いわれの無い通報をされそうなので、旭日旗を想起させる太陽モチーフのデザインは避けた方が良いかもしれません。