updated at 2018-12-5
システムインテグレーターの意味は、
システム開発において、コンサルティング、設計、開発、運用・保守・管理などを一括請負する情報通信企業の総称です。
読み方は、SIer(エスアイヤー)、略して、Si(エスアイ)とも言います。
メーカー系 | 日立、NEC、東芝、日本ユニシス、IBM、キャノンマーケティングジャパン等 |
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ユーザー系 | NTTコムウェア、野村総研、伊藤忠テクノソリューションズ等 |
独立系 | 大塚商会、ITホールディングス、内田洋行、オービック、富士ソフト等 |
西暦が21世紀に変わろうとしている頃に、日本政府は、システム部門を社外に置く、アウトソーシング構造を推し進めました。
その一貫として、経済産業省が、IT企業を「情報サービス企業台帳」に登録する制度を作りました。
この2つの台帳がシステムインテグレータの呼称の由来になっています。
2011年に、同庁によるシステムインテグレーター認定制度は廃止になっています。
このような制度が出来た背景として、 当時、IT導入は、設備投資と一体になった突発的な需要であると見なされていた為、 終身雇用が前提となっていた日本の企業で、 システム部門を社内に設置することは、企業にとって負担になると考えられていたからだと言われています。
しかし、システムインテグレーター制度の影で、 一部の大手に需要が集中するITゼネコン体質が出来、 システム導入案件が下請けに丸投げされる構造が作られてしまいました。
システム導入の発注単価を決める要因のひとつに、人の単価があります。
エンジニアを1人使う場合、月当たり、60万円~120万円が顧客に請求されます。
例えば、100万円の案件の場合、単価を各社でピンハネして下に投げます。
生産的なことは何もしていないのに、収益を得られる企業がある一方で、そのしわ寄せは、現場で働いている末端のエンジニアに集中します。
また、この多重請負の構造は、発注側にとっても何のメリットもありません。
開発費用は、「単価×人の数」で累積される料金体系になっている為、派遣する側にとっては、人さえ送り込めば、売上が増えます。
下請け企業では、職務経験も基礎知識も無いフリーターを採用し、付け焼刃の教育を自社で施し、 使い物にならない人材を現場に送りこむという手口も流行りました。
保証やリスクを分散するという大義名分の元、多重請負構造が出来上がり、 IT企業とは名ばかりの人材派遣がビジネスとして成り立っていました。
リーマンショックの後、こういった企業は倒産に追い込まれましたが、設備投資の需要の復活に伴い、また、増えています。
多重請負構造の根本的な原因は、
ですが、何故、発注コストが高くなるのでしょうか?
その原因のひとつとして、日本特有の「受託開発」のスタイルがあります。
IT導入を顧客に対して勧める場合、具体的にいくらコストが安くなるといったアドバンテージ(利点)を提示するのが、海外でのスタンダードな手法です。
それに対して、日本の場合、御用聞きのようなスタイルで、 客の要望に合うものをカスタマイズを繰り返しながら調整していきます。
これでは、無駄に工数が伸び、単価が高くなるのも当然です。
そして、その完成品は、顧客にとっても、本当に意味のある投資であったのか疑問です。